「愛より深い海」
私の手を離れて 舟はどこまでもいくだろう
嵐にのまれそうな時も 穏やかな時も
たった一つのいのちを揺らして 舟はいくだろう
地図にない道を拓く時 闇が友人になるかもしれない
それでも迷いの中 あたらしく変わり続ける貴方を勇気づけよう
私は海
一艘の舟を抱いている大海原
人生航路にわずかな灯りをともして 無力さと運命の残酷さを受け入れようとしている海
生まれたことが幸運なのかもしれないね
いつか消えていくことは隣合わせだけど 儚くていいじゃない
永遠じゃなくても大丈夫
全てが奇跡のように生きられなくても 自分を殺さなくていい
ひかりのおとをいつも探していた魂は いつか遠退いていくから大丈夫
誰かが貴方を馬鹿にして 貴方がそれを受け取って 捨てられないまま大人になっても
私にとっては些細なこと
魂に音を刻むことが貴方に授けられた仕事
貴方を見守ること 貴方を勇気付けること 貴方と一緒に歌うこと
愛は生きている 躍動に満ちて そこにある
歌を歌いながら舟旅を
海の水は冷たいか
冷たさもいつか終わる
舟を浮かべては
愛に勝る海になりたくて
生き延びてきたよ
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